第6章 逃がさないんだから…!
ひとしきり笑った鬼鮫さんは顔を上げた。
「あー、こんなに笑ったのは久々ですね。」
「楽しそうで何よりですね。」
鬼鮫さんが爆笑するって絵面は中々に珍しい。
アニメでも見たことなかったし。
こう見ると、この人も普通の人なんだなぁって思ったりする。
口に出したら殺されそうだけど。
珍しいのはイタチも同じだったらしく、鬼鮫さんの笑いが収まるまでじっと様子を見ていた。
「…続きだが、これの対となる印が反対にもある。そして、ここにチャクラを吹き込む口があることから、おそらくはこの三つの印を組んだ後にチャクラをこれに流すのだろう。」
どれどれ?
あ、これ?
そう言われてみればそう見えるかも。
てっきり何かの幾何学模様だとばっかり…。
しっかし上手だねぇ。
本当に一見図柄に見える様に上手く隠してある。
この図案書いた人に会ってみたいよね。
「やってみるか?」
「え、私が?」
「あぁ、俺があっちに行こう。」
すたすたとさっき覗き込んでいた位置に戻ると、すっとしゃがみ込んだ。
「ねぇ、チャクラを流したら爆発しますとかないよね?」
私、この方陣が何を意味するものなのか全く分かってないんだけど。
よく知らないけど、宝箱にはトラップとか付き物じゃん?
「図柄や文字を見るに、そういった類のものはないと思うんだがな。」
イタチは手を口元に当てながら、方陣をしげしげと見る。
「…どこら辺を見てそう思うの?」
「六方向に延びている線は鎖だろうし、何より中央に書かれている文字は”封”と読める。更には”爆”や”火”、”炎”といった火遁に関する文字は記されていない。そのことからも、単純に”封印されただけ”と判断出来るだろう。」
もうびっくりですよ。
目ん玉も口もあんぐり開きましたよ。