第6章 逃がさないんだから…!
「いや…、あの…。」
でも否定できない自分のサガが悲しい!
なにゆえ!?
あ゛あ゛ぁぁ…。
絶対顔赤いよ…。
火を吹きそうなくらい熱い…!
私は恥ずかしくて顔を上げられなくなって両手で覆った。
「…鬼鮫。何を勘違いしてるのか知らんが、エニシを揶揄うな。俺達は兄妹の様に過ごしてきた時だってあるんだ。これくらいの仕草は至って普通の日常だ。」
隣から聞こえた言葉に、すっと冷静さが戻ってきた。
そんな時があったっけ…?とか思うけど、きっと兄ちゃんと三人で色々やってたこともあるからその事を言ってるんだろうな、とも思う。
まぁうん。そうだよね。
イタチにとっては、やっぱり私は良くて兄妹だわ。
勘違いしなくてよかった。
秒で訂正ありがとう。
もう顔上げても平気そう。
私はすっと姿勢を正した。
「ほら〜、人の事揶揄おうとするから勘違いするんですよ、まったく。」
私は態とにやっと笑いながら鬼鮫さんを見上げた。
すると、鬼鮫さんはきょとんとした後、何を思ったのか吹き出した。
え、何?どういう事?
私はイタチと顔を見合わせた後、肩を震わせて笑いを堪える鬼鮫さんを見遣った。
「今、笑いの要素ありました?」
私が聞くと、鬼鮫さんは益々腹を抱えて笑いを深めた。
意味わかんないんですけど〜?