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もう一度、を叶えるために。second

第6章 逃がさないんだから…!



「…嫌か?」

「へっ?」

突然の問いに変な声を出してしまった。

「え、何故に?」

頭を撫でることが?
疑問符いっぱいにイタチを見上げると、そろ〜っと手を離しつつ視線もそろ〜っと逸らそうとする。

「その…、シスイの話をされるのは嫌かと思ってな…。」

あー…。
つまり罪悪感諸々の…みたいな?
なによそれ。
兄ちゃんは兄ちゃん。私は私。
寧ろ、素直に昔を懐かしんでくれる方が嬉しいんですけど。

私はちょっとムッとしながら、イタチの手をガシッと掴んでドサっと自分の頭の上に置き直した。

いいじゃん。
イタチの好きにしなよ。
すぐに顔に出る私も悪いんだけどさ。
けど、そこは目を瞑ってほしいわけですよ。
兄ちゃんからも再三言われてたけどさ、表情を消せとか言われても、私には無理なわけですよ。

「ふふ…。お前は変わらないな。」

また纏う空気が柔らかくなって、好きに撫で始めた。
うんうん、それで良し。

「もういいですか?」

いきなりの声に隣を見ると、いつの間にかぬっと圧を感じる距離で鬼鮫さんがいた。
しかも何とも言えない渋い顔。

「いちゃつくなら後にしてもらえませんかねぇ。こっちは続きが気になってるんですよ。」

「は?」
「はい!?」

イタチは唖然と、私は素っ頓狂な声を出した。

「何でそうなるの!?」

だってだってそうでしょ!?
カップルでもあるまいしイチャイチャする要素ないじゃん!
これだって昔の延長みたいな名残りみたいなもので!
だから、だから…!
その、えーっと…!

「これは…、そう!兄妹が仲良くするようなもので、」
「イタチさんが誰にでもそう接するとでも?」

特に意味は無いんですよ、って言えなかった。
押しのけられるように言葉を被せられた。
っていうかそれってイタチが私を好きって聞こえるんですけど!?
ない!!
ないから、それ!!
絶対ないよ!!

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