第6章 逃がさないんだから…!
「もう…。まぁいいですけど。」
私は鬼鮫さんに軽口を叩きながら、頭を抱えるイタチを見た。
なんかイタチが頭抱えるなんて珍しいんだよね。
だって常に沈着冷静な人が笑うじゃないけど、感情の一端を見せるってすっごくレアな感じするじゃん?
言わないけど。
言ったらきっと隠しちゃいそうだから。
「それより見てほしいモノがあるんだよ。多分、私とイタチくらいしか見える人いないと思うの。」
書庫にあった、あの方陣ってチャクラで描かれてるのかなってくらい、不思議な代物なんだよね。
どうなってるのかさっぱりわからん。
ついでに意味もさっぱり分かんない。
「…写輪眼か?」
少し顔つきが鋭くなった。
さすがだね。察しがいい。
「一見すると何でもないただの岩肌なの。そこに何かの気配があって、眼を切り替えたら方陣が見えたの。」
私がかい摘んで説明すると、イタチは一つ頷いた。
「見た方が早いだろうな。それは何処にある?」
イタチの問いに、私はアルビノさん…じゃなかったリニさんを見る。
するとリニさんは長を伺い見た。
長は少し逡巡してからイタチを見て、リニさんと私を見た。
「きっと秘術の事だな。そうだろう?リニ。」
問われた彼は頷く。
「書庫で見つけたモノなので、おそらく間違い無いかと。」
それを聞いた長はリニさんに頷くとリニさんも頷き返した。
「俺が案内します。」
リニさんはイタチに向くとそう言って先頭を歩き出した。