第6章 逃がさないんだから…!
「どういう意味ですか!」
「あなたに忍は不向きかと。」
「私だって忍業くらい出来ますよ!」
「あんなに心理戦が弱くて?言葉がなくても表情で会話が成立するのに?」
「なにぃっ!?」
がん、とショックを受けた様子でわなわなと手を震わせるエニシ。
それを見て、鬼鮫は意地悪そうに笑う。
「こんなんでイタチさんと同じ一族だって言うんだから、世の中分からないものですねぇ。」
「きぃぃぃ!!大きなお世話です!!」
エニシは怒りも露わに、子供の様に地団駄を踏む。
「まぁ落ち着け。ただの冗談だ。」
見かねたイタチが仲裁に入ると、エニシは頬を膨らませながら彼を見遣る。
「…本当に冗談だと思う?」
聞いた鬼鮫はにやりと笑う。
「私は嘘はつきません。」
「ほらぁ〜!!」
「…鬼鮫も、もうよせ。」
鬼鮫の茶々に指差しながら騒ぐエニシを見て、イタチはため息をついた。