第6章 逃がさないんだから…!
「おーい!!起きてー!!」
起きてよー!!
…呼びかけても起きない。
うわーん、ほんとにやっちゃったよ。とほほ…。
私はせめてものお詫びの印にと、脚の怪我の具合を診る。
割と最近の傷っぽい。
そんなに経ってないから、これだったら余裕で治せるわ。
その間にも、起きてー!って呼びかけるも目を覚さない。
脚の治療を終えて、私はゆさゆさと肩や体を揺すり始めた。
「お願いだから起きてくれ…!」
くたびれ始めた何度目かの呼びかけで、アルビノさんはやっと目を覚ましてくれた。
「はっ…!」
覚ましたはいいんだけど、また白目剥きそうになってるし!?
「ちょちょちょっとタンマ!」
私は慌てて一歩下がる。
「ごめんなさい、やり過ぎました言い過ぎました!とりあえず気絶しないで〜!」
必死の頼みに、アルビノさんはなんとか持ち堪えてくれる。
また気絶は勘弁してください…。
「…そ、それで、何でしょう…?」
さっきの若干横柄な態度が一変、180度変わった。
…うん、もう話が出来るだけで良しとしよう。
「ここなんですけど、床の下に何かありそうなんですよ。だから開けてみてもいいですか?」
勝手に開けても良かったんだけど、何となくね。
何かの術がかけられてるっぽいし、勝手に開けてドカン!とかなったらヤダし。
「…ここを?」
「ここを。」
「…あの、何もないんですが…。」
ぺたりぺたりと手を当てて探す彼。
けど、私の目にはバッチリ見えている。
「何かの術がかかってるんですよ。それが何かまでは分からないんで、下手に動かせられないですけど。」
触っているのに膜が張ってあるみたいに見えてる所が触れない。
だから、見えてる岩と岩の切れ目が指でなぞれないのだ。
アルビノさんは私の言葉を聞いて暫し考え込んだ。