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もう一度、を叶えるために。second

第3章 久方ぶりの里帰り1




走りに走った。
なんせ、火の国の外にいたもんだから時間がかかる。
出たのが夕方だったから、寝ずに夜通し走り続けた。

そして、大体昼時になって、

「見えた…!」

漸く木の葉の里が見えてきた。



あうんの門へ回ると、まあまあ行列になっていた。
多分、入里札のチェックだろう。
塀から入りたいところだけど、結界が張ってある限り難しいんだろうな。
写輪眼で結界を誤魔化す事もできなくはない。
理論上は。あくまでも理論上。
というのも、私は幻術が得意じゃなかった。
自分がかかりにくいせいか、才能の問題か、幻術から抜け出すことは得意でも、かけるのはからきしだった。
だってさ、かけられても、違和感ありまくりの幻術世界だと、区別が簡単についちゃうんだもん。

綱手様によると、

『術者が弱い、ってより、お前が異様に幻術に対する耐性が強いんだろうな。』

だそうだ。
現に、二人は幻術に強いと豪語する術者の攻撃にへろへろになっていた。
私には違和感しかなかったんだけど。

つまりは、正面突破しか方法はない。
だが、それには入里札は必須だ。

「うわぁ〜…。どーすっかなぁ…。」

私は木陰に隠れて、遠目に見える行列を眺めた。



眺めている内に気づいたことがあった。
何も入里札を持っていなくても、当日発行券みたいなものがあるらしい。
一見さんでも入り込む余地はありそうだ。

「とりあえず、並んでみますか。」

変化の術を使って姿形を変えた後、順番を待つ人に混じって私も並んでみる。
髪は黒から明るい茶に変えて後ろで緩く一結びに。顔立ちは綱手様の幼少期を参考に(前に借金取りから逃げる際に見た)。服装はカジュアルブラウスにハーフパンツにベージュのロングコートにスニーカー。
うん、我ながら上出来♪

人々の関心は、この間の木の葉崩しにあるらしい。
“火影様が…”とか”砂隠れが…”とか聞こえてくる。
できれば”うちはの…”を噂してくれると助かるんですが…。

ま、でも、噂にならないくらい何事もなく過ごしてる証だと考えれば、やきもきした気持ちも幾分かは落ち着くというもの。
うん、そう思っておこう。
間に合わなかったとは思いたくないもの。
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