第3章 久方ぶりの里帰り1
間に合うかしら。
イタチがサスケと接触するのは、木の葉崩しが終わってから。
確か、数日の猶予はあるはず。
だって、ヒルゼン様の葬儀をやるのだもの。二日三日はかかりきりになるはずだ。
兄弟の接触は、私がイタチを追いかけられる絶好のチャンスでもある。
年々、行方を掴むのが難しくなっているイタチ。
綱手様から全て教わり切った日から情報を集めてみるも、どこで何をしているのやら、一向に掴めない。
その掴めない人を捉える最大のチャンス。
ついでに、やり過ぎなあの兄弟の逢瀬を書き換えさせてもらおうと目論んでいる。
私は、木から木へと走り抜けて懸命に距離を縮める。
徒歩で二日かかる距離でも、忍の全速力なら一日に短縮できる。
私は、まだ二人が接触していない事を祈りながら走り続けた。