第6章 逃がさないんだから…!
曲がりくねった廊下を行ったり来たりして人を探すと、少し離れた部屋に一人発見。
「あのー…。」
声をかけるも、訝しげに私を見るだけで、その人は何も答えない。
白に近いプラチナ色のショートの髪に赤っぽい赤銅色の瞳。
アルビノみたいで綺麗だな。
お顔の作りも良いから尚の事お人形さんみたい。
歳は二十歳近いかな?
線の細い男の人だ。
…っていうか、何だこの時間。
睨み合いみたいになってるんだけど。
「あの、すみません…。」
それ以上なんて言っていいか分かんない。
歓迎はされてないって感じだけど、せめてなんか言ってよ。
「…依頼の人、ですよね?」
うん、なんか言って欲しかったけど、つっけんどんで余計気まずいわ。
「えぇ、まぁ…、そうですね。」
厳密には付いてきただけのおまけだ。
「あの、ちょっとお願いがあるんですが…。」
控えめに言ってみたけど、仏頂面は崩れない。
なんか、頼みづらいな。
「何ですか?」
「あー…、ちょっと気になる部屋があって。見せてもらいたいな〜、なんて…。」
仏頂面はさらに悪化して、眉根が益々寄っていく。
なんか、ここまで嫌がられてるのに頼む必要あったかな…。
…いや、ないかも。
「…なんて思ったんですけど、やっぱ止めときます。」
どうしても見たいってわけじゃないし。
私が踵を返そうとした時、
「どこを見たいんですか?」
ぶっきらぼうながらも色良い返事が返ってきた。
「…え?」
いいんかーい。
嫌そうにしてたのは何だったの?