第6章 逃がさないんだから…!
――その後…。
「まったく、休憩どころじゃなくなったじゃないですか。」
私が苦言を呈すも、鬼鮫さんはどこ吹く風。
「あれしきの揶揄で動揺するあなたが悪いんですよ。」
「イタチの水筒で間接キスなんて言うからですよね!?」
「間接キスはあなたが言い出した事ではありませんか。私はイタチさんはいいのか、と聞いただけですよ?」
きぃぃぃー!!
腹立たしいったらありゃしない!
同じ意味じゃん!
咳が治まったから、早速鬼鮫さんに抗議したのに、ああ言えばこう言うの連続で余計に腹が立つ!
「…そろそろ行くぞ。」
イタチは気にしていないのか興味がないのか、冷静そのもの。
我関せずを貫いている。
私一人が騒いでるって、複雑な心境である。
「ほら、行きますよ。」
鬼鮫さんも、すっと立ち上がった。
切り替えがお早いようで…。
私も二人に続いて立ち上がった。