第6章 逃がさないんだから…!
イタチもそれに気がついて、瞑っていた目を開いた。
「終わったのか?」
その問いに、私は首を横に振る。
「ごめん、集中力が切れた。ちょっと休憩させて。」
私はポーチから小袋を出して兵糧丸を一つ出すと、ちまちまと齧る。
そういえば、来た時から鬼鮫さんがいないんだけど、お出かけ中?
「ねぇ、鬼鮫さんは?」
「今更か?」
聞いてみたら、少し呆れた声が返ってきた。
分かるよ?
異変は最初に察知すべし、でしょ?
そん時はスルーしたかったんだよ。
「うん、今更気になった。」
「鬼鮫なら街を見てくるって言ってたぞ。」
少し疲れた様子で、イタチも兵糧丸を一つ齧った。
「少し体が怠くなるな。」
治療後はみんなぐったりするからね。
「体力とチャクラを使うからね。どうしてもね。」
こればっかりは、回復を待つしかない。
「鬼鮫さん、街に何しに行ったの?仕事?」
「さあな。お互いの自由行動は干渉しない。」
イタチは淡々と返してきた。
ふ〜ん。冷めてるんだね。
まぁ、教えてって言っても言わなそう。
となると、なんか悪巧み?
「でもさ、純粋に鬼鮫さんがショッピングしてるところも想像つかないよね。」
「ショッピング?」
「そう。街を散策して、気ままに屋台回ったりお店入ったりして、気ままに買うの。」
新しい街に行くと、シズネさんとよくやってた。
「まぁ、そうだな。鬼鮫は物欲もない様だしな。」
「へぇ、物欲ないんだ。じゃあ屋台巡りかな。気ままに食べ歩き。意外に甘い物が好きだったりして。そうだったら面白いのになぁ。」
「そうか?」
「そうだよ。あの見た目で綿飴とか持ってたらシュールじゃない?」
想像しただけでウケる。
「…俺も甘い物好きだぞ?」
あらら、ちょっとむくれちゃったよ。