第3章 勝者と敗者
花鈴「どう、とは……」
黒部「率直な意見を教え下さい。遠慮なんて要りませんので」
そう言われ改めてモニターに映る2人を見る。桃城先輩はラケットをまともに握れない状況の中、鬼先輩と試合しており既に勝敗は決まっている様に見えた。そして今日のシャッフルマッチの一覧を確認した上で黒部コーチに応えた。
花鈴「中学生選抜を黙らせる為に……桃城先輩だけをシャッフルマッチにだしたんでしょうか」
黒部「……正解だ」
当たっていたようで、上位コートの人間と中学生選抜をでは実力差があり過ぎると話す。その瞬間、モニターでは試合が終わり桃城先輩がコート内で倒れてしまっていた。
花鈴「今は、実力差があるかも知れませんね……では私は彼の手当に行ってきます」
黒部「ええ、そうして下さい」
部屋を出た私は急いで桃城先輩の所に向かった。そしてベンチに座るボロボロの先輩を手当てしながらモニターで見ていたと話す。
花鈴「もう無茶しすぎです!」
桃城「悪いな、心配掛けて……先輩方も」
両手を包帯で巻き、暫く安静にと言うと俯いで謝る桃城先輩に菊丸先輩達は気にするなと言っていた。
海堂「てめえは後先考えなさすぎだ」
桃城「んだと‼︎」
立ち上がって言い合いを始める2人に先輩方は「これだけ元気なら問題ない」と笑っていた。
花鈴「あ、私はそろそろ行きますね!」
菊丸「え〜もう行っちゃうの?」
花鈴「あはは、すぐ会えますから」
次のメニューの為、私は青学メンバーと一旦別れ齋藤コーチの元へと向かう。
花鈴「お待たせしました!」
齋藤「来ましたか、では行きま……っ‼︎」
ドスッ
最後「っう……」
花鈴「だ、大丈夫ですか?」
齋藤コーチは身長が2m程あり扉の上部に頭をぶつけてしまった。コーチは平気だと言い、中学生達に自己紹介をした。
齋藤「おはよう皆、メンタルコーチの齋藤でーす」
そしてコーチは全員が中学生とは思えない程の腕だと褒め、メンタルを鍛えれば更に強くなれると話した。
齋藤「では、花鈴ちゃん」
花鈴「はい、それでは皆さん……今から2人組を作って下さい」
齋藤「誰でも良いですよ〜」
そう言うと彼等は仲良しペアやライバル同士のペアなど様々な組み合わせが出来上がっていた。
花鈴(あれ、リョーマ君と金ちゃんがいない?)
齋藤「どうかしました?」
花鈴「あ、いえ……何でも無いです」