第2章 U-17日本代表合宿
ただいま、と照れ臭そうに言う越前に花鈴は笑顔で応えた。跡部や眞田も越前の登場に素直では無いが喜んでいた。
黒部「ボールは全て拾い終わったようですね。ではこの合宿の仕組みを説明をしましょう」
この合宿では実力順に1から16番コートに分けられており若い数字ほど強く、練習前にコーチが選んだ組み合わせで試合をして貰い、勝てば上へ負ければ下へと下がっていくシステム。また今回は試験的にマネージャーを導入していると説明した。
幸村「上に行くにはそのシャッフルマッチで勝たないといけないんだね」
遠山「おぉ、花鈴とこれから一緒にいられるんか!」
ガシッ、ブンブン
花鈴「う、うん……あはは……」
白石「金ちゃん、ちと落ち着き」
ガシッと手を掴みブンブンと手を揺らす遠山に四天宝寺の部長である白石が止めに入った。そして小さく謝る白石に花鈴は気にしていないと笑顔見せた。
黒部「……さて、ボールを拾えなかった者は通達通り出て行って貰いましょう」
「ふざけるな、何個もボール取ってんじゃねえよ!」
黒部のアナウンスが終わった瞬間、1人の高校生が文句を言ってきた。だが1人一個とは言われていないと言い返されてしまう。
「たまたま拾えたからって調子に乗るな、結局は実力なんだ。」
ラケットを持った高校生はコートへと入ってテニスで決着を付けようと言う。
乾「往生際の悪い」
「そこ眼鏡、勝負だ。そうだ、俺が勝ったらお前らのボールと……」
花鈴「……え?」
「そのマネージャーを俺達に譲ってもらおう」
最後の言葉で中学生組の空気が一瞬でピリピリとした空気に変わる。
手塚「……」
木手「待ちなさい手塚君、彼は今俺を指名しましたよ」
柳生「いいえ木手君、私ですよ」
忍足「いいや、眼鏡言ったら俺やろ」
手塚や木手、柳生に忍足、眼鏡は俺の事だと高校生に挑もうとする。逆に乾は眼鏡を外しておりその事を海堂に突っ込まれていた。
「おい、いい加減に……!」
リョ「もーいいかい」
大石「越前、その眼鏡は」
眼鏡を掛ていた越前は眼鏡を外し持ち主へと投げた。どうやら四天宝寺の小春の物だったらしく、帰ってきた眼鏡に小春は喜んでいた。
「またお前か、ガキは引っ込んでろ!」
リョ「ふーん、偉そうな事言って自信ないんだ?」
「佐々部、俺に任せろよ」
「松平……」