第2章 U-17日本代表合宿
黒部「では着替えて、こちらのコートに行ってください」
花鈴「はい、分かりました」
部屋を出ていった花鈴に齋藤は黒部にマネージャーなんて居るのかと聞いた。
齋藤「可愛くて真面目そうだけど、何でマネージャー?」
黒部「監督の命令ですから。でも呼ぶだけの価値はありますよ」
齋藤「価値? あの子に?」
黒部「ええ」
モニターの一つに花鈴の情報を出しながら、彼女の特技がコピーでどんな相手の技も人並み以上に使えてしまうと話す。
黒部「つまり、細かい部分も見られる上に彼等の弱い部分も指摘出来る」
齋藤「成る程……でも何でマネージャーなんてしてるんだろ?」
これならプロになった方が得なのにと言う齋藤に、そんな事は知らないと言いながら席を立ち部屋を出て行く黒部であった。
花鈴はU-17での専用ジャージに着替えて練習場へと出ると最新設備が揃った施設となっていた。世界にも通用するエリートを育成する合宿で、過酷な練習となっており数日で辞めてていく人もいるらしい。
花鈴(私は……どうして呼ばれたのかな)
施設の場所わ覚えながら歩いていると、見覚えのある人物達が見えた。駆け寄って行くと彼等も気付いたようで近付いてくる。
菊丸「マネージャー、何でここに?」
手塚「お前も来ていたのか」
花鈴「はい、皆さんのサポートをしてくれと」
この合宿に招待されたと伝えると何故か全員、花鈴の事をジッと見ていた。
花鈴「あの、このジャージ変ですか?」
手を広げて全体が見えるようにジャージを見せた。大きめの上着に短めの短パン姿。すると全員は首を振り似合っていると応えた。
桃城「なんつーか、なあ///」
大石「〜〜〜///」
花鈴「皆さん?」
不二「クスクス、君は気にしなくて良いんだよ」
全く分からずハテナを頭に浮かべていると、手塚部長が9人でこの合宿を乗り越えようと言った。
桃城「9人か……越前もここにいりゃあ10人揃うのに」
青学メンバー「「……」」
花鈴(あ、もしかして……知らないのかな?)
落ち込んで無言になる青学メンバーに花鈴は例の事を知らされていないと気付き教えようとした時だった。
「14番コート、私語は慎みなさい」
黒部「轟、村田は14番コートへ降格」