第2章 U-17日本代表合宿
中学テニス全国大会から数か月後、青学テニス部は日本テニス界のトップ選手を育成するU-17(アンダーセブンティーン)日本代表合宿に来ていた。
鉄の大きな扉が開き8人は入って良いのかと開いた門の前に立つ。
大石「本当に良いのかな……」
乾「0%、この合宿で中学生がいた前例はない」
裏があるだろうと乾は予測し、手塚が行こうと言って全員で門を通って行く。途中、U-17に入っているであろう高校生達が「検問だ」と言ってちょっかいを掛けて来た。
「1人5球やるから、3つの缶を倒してみろ」
テニスのコートに連れて行かれた8人に3つの缶を倒してみろと言った高校生。それを受けて彼等は簡単だと言わんばかりに缶にボールを当てて行く。その様子は監視カメラでコーチ達に見られているとも知らずに。
?「青春学園テニス部。今年の全国大会優勝校だ」
?「ほお、中々個性が強いメンツだ」
コンコン
?「来たようだね、どうぞ」
ノックの音が鳴り扉を開けて入って来たのは1人の少女。少女はぺこりと頭を下げてから部屋に入る。
花鈴「本日からこの合宿でお世話になる事になった、青学テニス部マネージャーの姫宮花鈴です」
入って来た少女はそう名乗ると待っていたと言うように手招きされ、合宿で着る専用のジャージを渡された。
?「コレが君のジャージだ。君には彼等、中学生組のサポートをして貰いたい」
花鈴「……あの、1つ質問しても良いでしょうか?」
渡されたジャージを受け取った花鈴は「何故、私は呼ばれたのか?」と聞く。
?「それは君が元テニスプレイヤーで才能があるからです。それに彼等の事は我々よりも熟知している」
花鈴「そう、ですか……分かりました」
花鈴は小学生までアメリカで生活しており、プロテニスプレイヤーの父とスポーツトレーナーの母に育てられた。その為、テニスの腕前は小学生にも関わらずプロ並みで負け知らずだった。だが中学生に入るとピタリとテニスを辞め、今はマネージャーとして青学のテニス部をしている。
黒部「自己紹介がまだでしたね、私は戦略コーチの黒部由紀夫です」
齋藤「僕は齋藤至、メンタルコーチだよ」
そして腹筋をしている人物は、サーキットコーチの柘植竜二。「宜しくお願いします」と改めて挨拶をした花鈴が監視カメラのモニターを見ると青学メンバーは合宿所へと到着していた。