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【新テニスの王子様】恋のスパイラル

第5章 マネージャー


三船「暗くなったら迎えが来る、それまでこれを読むか自主練でもしているんだな」
花鈴「手紙?」

三船は立ち去り小屋の前で1人練習を始めた花鈴だったがあまり集中出来ず、渡された手紙を読む事にした。手紙には「花鈴へ」と書かれており差出人は花鈴の父親からだった。

『花鈴へ
元気にしているか?
実はお前の能力を見込んだアメリカのテニスチームがお前をプレイヤーとしてスカウトしたいと言っている。
もし興味があるなら、この場所に行くといい。』

花鈴「スカウトか……私は行けないよ」

誘いは嬉しいが今は行く気がない花鈴は手紙をリュックにしまいながら昔の事を思いだす。それはまだマネージャーになる前、プレイヤーとして活躍していた時の話。

ジュニア大会に向けてコートで自練習していると1人の少女がやって来た。それは何度か大会で試合をした少女で結果はいつも花鈴が勝っていた。

花鈴「あれ、どうしたの?」
「……てよ」
花鈴「えっ?」
「テニスやめてよ!」

少女の言葉に「どうして……」と返すと花鈴を睨みながら「分からないの?」と低い声で言われた花鈴は小さく頷くと少女は大声で怒鳴りだした。

「貴方がいるからよ!」
花鈴「わたし?」
「そう、貴方がいるからテニスが楽しくなくなったの……貴方がいつも優勝するから‼︎」

少女はドンッと最後に突き飛ばされ尻餅を着いた花鈴を見て「あっ……」と小さい声で言うとその場を走って何処かに行ってしまった。その後、無事大会に出て優勝を収めた花鈴だったが少女の姿は何処にも見当たらず父親に聞くと「辞めてしまった」と伝えられた。

父親「花鈴が突き飛ばされた現場を見ていた関係者がいたみたいでな……」

子供のちょっとした喧嘩だと突き飛ばした少女の父親は訴えたそうだが「悪意があった」と判断され強制的に辞めさせられたと話す。帰宅後、花鈴は自室に戻り少女の言葉を思い出していた。

『貴方がいるからテニスが楽しくない!』
花鈴「……私のせいで……私が……」

この出来事があって以降、花鈴が越前に会うまでテニスをする事は一度も無かった。

花鈴「(……あの子はどうしてるんだろう、それに……)……ん?」

少女の事と三船が何故こんな事をするのか考えていると視線を感じ、小屋の上を見ると一羽の鷲が花鈴を見つめており見つめ返していると花鈴の足元へと降りてきた。
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