第4章 勝ち組の思い
神尾「つーか、何で木手さんや丸井さん達も参加してる訳」
卓球をするのは菊丸と鳳、跡部と観月だけでなく木手と亜久津、丸井と千歳の姿があった。
鳳「跡部さん、何でジャージを着ないんですか!」
跡部「アーン? 風呂の後の卓球は浴衣だろ」
忍足「まあ、分からんでもないが……」
花鈴「何で私まで浴衣……」
跡部と観月そして花鈴はジャージではなく浴衣を着ており、花鈴は「私はジャージでも……」と呟きながら着替えに戻ろうとするとと千石に止められた。
千石「え〜せっかく似合ってるのんだし、もう少し着ててよ!」
跡部「俺が見立てたんだ似合うに決まってんだろ」
花鈴「跡部さんが……」
水色をベースに青いアサガオが裾に描かれ全体的に可愛らしい浴衣で花鈴は本当に似合っているのかと近くにいた手塚に聞いた。
手塚「大丈夫だ、問題ない」
花鈴「なら安心です」
千石「いやもっと感想あるでしょ!」
千石が手塚と花鈴のやり取りにツッコミを入れている間に、1試合目の丸井と千歳の試合が始まり結果は丸井の勝利。次に2試合目、木手と亜久津の試合が始まろうとし時、花鈴は「飲み物を買ってくる」と言い一旦その場を後にした。
ピッ、ガコンッ
花鈴「ん〜……ちょっと外の空気、吸ってこよ」
飲み物を片手で外に出ると夜のランニングをしていた徳川と出会い「お疲れ様です」と声を掛けた花鈴。すると足を止め少し驚いた顔をする徳川にどうしたのかと首を傾げた。
徳川「浴衣か」
花鈴「あ、コレですか? 跡部さんが用意してくれて」
徳川「……」
花鈴「徳川先輩?」
何も言わない徳川に再び首を傾げていると、卓球場の方から「おーい」を呼ぶ菊丸の声が聞こえ「今行きまーす」と花鈴は返事をした。
花鈴「じゃあ私は行きますね!」
徳川「……っている」
花鈴「?……何か言いました?」
徳川「何でもない、早く戻るといい」
そう言い徳川はランニングを再開し走り去っていった。花鈴は急いで皆の元へと戻ると決着は付いており菊丸達が勝ったらしくこれからテニスをするからとコートに連れて行かれた。楽しくテニスを始めた菊丸達をベンチから眺めていた花鈴の所に白石と不二がやってきた。