第3章 勝者と敗者
ヒョイっと齋藤コーチに脇に抱えられて施設へと戻る。降ろして欲しくて暴れていると「ちゃんとご飯食べてる?」と聞かれて「食べてます」と応えた。
齋藤「もっと君は食べた方が良いよ」
花鈴「食べますから降ろして下さい!」
齋藤「えー、こっちの方が楽でしょ」
花鈴「いや楽しくないです……」
ニコニコしながら歩くコーチは結局、施設まで担がれた状態で到着。
齋藤「では僕はここで。あ、彼等の事は他言無用で」
花鈴「言いません、言いませんから早く降ろして下さい……」
齋藤「はいはい、では僕はこれで」
時刻は夕方、やっと降ろして貰い小さき溜め息を吐きながら1人で歩いていると手塚先輩達、ペア試合での勝ち組がこちらに走ってきた。
菊丸「花鈴ちゃん大丈夫、コーチに捕まってたけど⁉︎」
花鈴「見られて……う、うわーん!」
白石「お〜よしよし、どないしてん」
白石さんに頭を撫でられる私は両手で顔を隠しながら脱落した組を齋藤コーチと見送り、施設までの帰り道は担がれてここまで来たと話した。細かい事は話していないしこれくらいは大丈夫だと思ったからだ。
花鈴「見られていたとは恥ずかしすぎます……」
赤也「姫宮、小動物みたいに持たれてたぜ!」
花鈴「むう……小動物じゃないもん!」
赤也「っ‼︎///」
頬を膨らましムッとした私は「ご飯食べて来ます」と言いその場から立ち去った。
ーーオマケ1
幸村「クスクス、やっぱり可愛いね彼女」
白石「ほんま青学マネってのが惜しいわ」
忍足「せやな、まあ今は俺らのマネージャーではあるんやけどな」
不二「彼女は何処にも渡さないよ?」
ーーオマケ2
モニタールームにて
齋藤「〜〜〜♪」
黒部「なんだか楽しそうですね」
齋藤「まあね、脱落組がどうなるかも楽しみだけどさ」
黒部「彼女にも興味が湧いた、と」
齋藤「そう、花鈴ちゃんは中々面白くてね」