第3章 勝者と敗者
この合宿で生き残る、そう言ってサーブを打ちポイントを取り始める大石先輩は後1ポイントで勝ちが決まってしまう。
花鈴「菊丸英二、打ち返しなさい‼︎」
菊丸「っ!?」
ドーンッ
点数を取った菊丸先輩は振り返り私の方を見て来たのだ私は「全力を出しなさい」と叫ぶ。
菊丸「花鈴ちゃん……」
大石「姫宮さん」
花鈴「2人はゴールデンペアなんでしょ!」
2人「「!?」」
ハッとした2人は互いを見つめ合い何かを決心したのか先程までとは違う試合が始まった。
乾「英二がいつも通り……いや、それ以上にの動きだ」
不二「流石は僕等のマネージャーだね」
花鈴「いえ、私は思った事を言っただけですよ」
調子を取り戻した2人は熱い試合を始める。そして試合の結果、菊丸先輩が勝利し大石先輩は脱落となった。他のペアの試合も終わったようで脱落者が次々に決まっていった。
花鈴「あ、そうだ……」
菊丸「……花鈴ちゃん?」
花鈴「私ちょっと用事思い出したので失礼しまーす!」
桃城「え、おい、姫宮⁉︎」
未だに姿が見えないリョーマ君と金ちゃんを思い出し探しに走り出した。暫く探していると徳川先輩と鬼先輩の姿が見えた。
花鈴「あ、あの……!」
徳川「……」
鬼「あ?……なんだ」
花鈴「ちゅ、中学生の2人を見ませんでしたか?」
圧が怖かったが、2人を探す事が第一だと思い拳を握り締めながら聞くと「あっちのコートにいる」と教えてくれた。
花鈴「ありがとうございます……」
鬼「嬢ちゃん、あまり強く握ると手痛めるぜ」
花鈴「は、はい!」
徳川「……」
鬼「分かったらさっさと行きな」
私は改めてお礼を言うと急いで2人の元へと走った。その時、背後から話し声が聞こえたから何て言ってるかは分からなかった。
徳川「……」
鬼「……どうした徳川」
徳川「いや、別に」