第3章 芽生え始めた想い
「「合同任務ぅ?!?」」
「あァ……。つってもここを留守にするわけにはいかねェからな。半数はここに残ってもらう」
壊された扉の修復も終わり、ぶじに今日の任務がすべて終わったのでスモーカーさんに報告しに行ったときのこと。
突然のことに、私もたしぎも声をそろえて驚く。
「ちょうど、機動力がいい部隊がほしかったのよ」
元々はヒナさんが命じられた任務らしいが、自分達だけでは人数が足りないので、スモーカーさんがいるこのローグタウン基地に応援要請しに来たのだという。
「それで…いったい誰を連れて行くんです?」
アンナのその問いに2人の大佐はこう答えた。
「……俺と、」
「アンナちゃん、あなたよ」
「……へ?」
「「っええええええ???!!」
スモーカーの部屋に、再び2人の驚きの声が響き渡る。
「そんなに驚くことかしら?」
「いやっ、だって、スモーカーさんはともかく…、私まで必要あります?」
ヒナさんもいて、スモーカーさんも同行するのに。
自分の必要性をまったく感じないアンナは首を横にブンブンとふった。
「私があなたに興味があるの。期待の新人ちゃんがどれだけの実力か、私に見せてくれないかしら?」
ヒナはまっすぐな視線を向けながら、アンナににこり微笑んだ。
その眼差しは、けっしてからかっているものではなくて。
どう返事しようか迷っていると、そんなアンナの背中を押すようにスモーカーが呟いた。
「…お前もたしぎとの稽古ばかりで、実践はつめてねェだろう。絶好のチャンスじゃねェか」
「そっ、それは……」
それはたしかにそうで、瞬時に否定できないでいると、隣に立つたしぎが私の肩をぽんと叩いた。
「行ってきたらどうです?
……お二人もこう言ってくれてることですし」
「でも、」
「スモーカーさんとアンナがいない間、私がちゃんと留守番しておきますから!」
だから安心して行ってきて、とたしぎは続けた。
「…分かりました。微力ながらサポートさせていただきます」
こうしてアンナとスモーカーは、ヒナとの合同任務に就くことになった。