第1章 プロローグ
洗濯物を干し終えた後、アンナは自分の部屋に戻りエースにもらった指輪を眺めながらベッドに寝転がっていた。
窓から差し込む太陽の光に照らされて、さらに輝きを放つそれはとても綺麗で。
それと同時にこんな綺麗なものが自分に似合うと思って買ってくれたのかなとか考えてしまう。
…いかん、頬のゆるみは止まらんぞ。これは。
1人で喜びに浸っていると、突然窓の外から大きな声に呼ばれる。
「ねえちゃーーん!」
「どうしたのルフィー?」
窓から顔を出すと、そこにはこちらに向かって手をブンブン振っているルフィの姿があった。
「エースがよー、姉ちゃんと仲直りしてェっていうから呼びに来た!」
そういうとルフィは腕をぐんと伸ばし、その伸びた手が私の体にぐるぐると巻き付く。
「え!??」
「にしし!行くぞ姉ちゃん!」
私の戸惑いの声も彼には届かず、ルフィに半ば無理やり連れ出される。
もちろん行き先はエースのところだ。
「エース!!連れてきたぞ!」
「ばっ……!お前、もっと優しく扱えよな!!」
エースはルフィが私をぐるぐる巻きにして連れてきたことに怒っているみたいだ。
そんなのいいから、とりあえずこの状態からなんとかしてほしい……
「じゃあちゃんと仲直りするんだぞ!」
ルフィは腕を離してくれ、やっとアンナは自由の身になった。
そしてルフィはそのまま2人を残して去って行ってしまった。