第1章 プロローグ
「私もエースの事、好きだよ。……弟として」
「…俺は違う意味で聞いてんだけど?」
アンナの言葉に、エースが目を細めてまっすぐに視線を絡ませる。
先ほどまでのほわわんとした穏やかな雰囲気から、ピリッとした空気に変わるのがすぐに分かった。
「……エース。私ね、海軍に入隊するの」
「は………?」
あんぐりと口を開けて信じられないといった表情になるエース。
私は彼が言う前に、先を切って言葉を続けた。
「じいちゃんと約束してたんだ。エースが海に出るのを見送ったら、じいちゃんのところに行くって。
だからエースと一緒に海には出れない。
……今度会うとき、私たちは敵同士なる」
「……ジジイに何言われた?お前、昔から海軍に興味あるなんて一言も言わなかったじゃねェか!」
「だって言ってもエースもルフィも反対するでしょ?
……だから言わなかった」
私の言葉に黙ってしまうエース。
その表情からは怒っているのかはわからなかったけど
発している雰囲気から怒りが伝わってくる気がした。
___そう、私の事を許さないでエース
あなたに嫌われるために私はこの道を選ぶのだから。
そう願う私の想いは彼に届いているだろうかと考えていると、ようやくエースが口を開いた。