* 忍のハート ✿ 番外編 *【ONE PIECE】
第28章 ◇ 助けたい君 ◇ 夢主視点 ◇ ③ ◇
ウタ)「⋯も⋯⋯か⋯ない⋯」
「え?なに?」
ウタちゃんから目を離していた
声が聞こえたから3人でウタちゃんに目を向ければ
ウタちゃんは視線を下に向けて何か呟いていた
顔に影で出来てよく見えない
「なに?なんて言ったの?」
聞き取れなくて聞き返したら
ウタちゃんはゆっくり顔を上げた
その顔を見て私達は目を見開いた
そんな私達をほっといてウタちゃんは口を開いた
ウタ)「⋯それでも⋯私は⋯もう引き返せない」
「ぇ、⋯お嬢さん?」
泣きそうな声で口から出た言葉は
私の心に酷く刺さった
止めなきゃと思ったのに
あんな顔をさせたら⋯ダメだと思ったのに
私は止めれなかった
ウタちゃんは立ち上がり両手を空に向かって広げた
ウタ)「悪い人達には悪い印を⋯もっと早く決めるんだった」
ホンゴウ)「ウタ?」
「「⋯⋯」」
ウタ)「私に勇気がなかったから⋯これを使う勇気が⋯」
「ぇ?⋯あれって⋯」
ウタ)「でも⋯もう迷わない!」
そう言って出て来たのは
私が見つけようとしていた《楽譜》だった
忘れてた!
「はっ!ダメだ!それは⋯ぅぐっ!」
ホンゴウ)「まだ動くな!」
手当てしたばかりで思うように体が動かなくて
立ち上がった時、足がもつれてコケてしまった
クロガネ)「どうした?」
「ジジィ!あの楽譜を⋯」
傍に来たジジィにウタちゃんを止めてもらおうとした時
ウタちゃんの歌声が聞こえジジィの分身は衝撃で消えて
私は耐えれず吹き飛ばされた