* 忍のハート ✿ 番外編 *【ONE PIECE】
第26章 ◇ 助けたい君 ◇ 夢主視点 ◇
「私にも分かるよ⋯あなたの気持ち」
ウタ)「⋯?」
女の子はゆっくり顔を上げた
やっと見えた顔は泣きそうな顔だった
「私もね⋯昔、大変な事をやらかしちゃったの⋯取り返しのつかない事をした」
ウタ)「取り返しのつかない事?」
「⋯仲間や、家族をね⋯たくさん、殺しちゃったの」
ウタ)「ぇっ?」
「生き残った私は殺しちゃった人達の家族や仲間から恨まれて、憎まれて⋯居場所がね⋯なくなったの⋯自分でしたから仕方ないんだけどね」
ウタ)「ど、⋯それで⋯あなたはどうしたの?」
「それでも私は生きて⋯私が殺しちゃった人達が守りたかったものを守る為に戦った⋯罪滅ぼしじゃないけど⋯自分が壊れても自分を犠牲にしなきゃって⋯当時の私はそれしか思い付かなかった」
ウタ)「⋯そう、なんだ」
「この島にあった記録を読んだ」
ウタ)「っ⋯⋯読ん⋯だの?」
「うん⋯読んだ⋯この島が壊される前に書かれた物も含めここ15年ぐらいの物、全部。ゴードンさんって人の名前があったからゴードンさんが書いたんだと思う。そこには12年前の事も書いてあった⋯この島で何があったか⋯私は知ってる」
記録を読んだと言えば女の子は震えだして
私の手を振り払った
ウタ)「なら!⋯なら邪魔しないで!」
「邪魔したくなる⋯あなたには私みたいになって欲しくない」
ウタ)「私がやらなきゃいけないの!私にしか出来ない事なの!私なら出来る事なの!」
「ねぇ、お嬢さん⋯さっき私が言った事⋯覚えてる?」
ウタ)「さっき?」
「うん⋯私は言った⋯『あなたが止めて欲しそうに見える』って」
ウタ)「⋯はっ、」
「だから邪魔するよ⋯私はあなたを助けたい」
ウタ)「やめてよ!今更⋯⋯いま、さら⋯」
女の子は泣き出してしまった
その時だ
女の子の体から変な気配がした