第18章 ◇ バレンタイン ◇ ロー視点 ◇

俺は包み紙では無くアヤの手を掴んで引いた





「ぅえ？！」




ベッドに座っていた俺の元に飛び込んで来た




そのまま体を後ろに倒して
アヤの後頭部に手を回し顔を寄せた





ロー）「全部欲しい」

「うわー…それ反則」

ロー）「反則はお前だろ？包み紙なんて持ってない」

「うわー…バレてた」

ロー）「幻覚かなんか知らねぇが反則した罰だ。だからお前の全部が欲しい」

「うわー…普通は気付かないのに…凄い口説き文句だね」





アヤはゆっくり体を起こして呆れた様な視線を向けられた





ロー）「んで、本物は？」

「う"ぅ、やっぱり欲しい？」

ロー）「楽しみに待っててって言ったのはお前だろ？」

「楽しみになんて言ってない」

ロー）「言われた通り楽しみに待ってたんだがなぁ」

「いや、だから！楽しみになんて言ってない！」

ロー）「俺を喜ばせたいんだろ？」

「…」






笑いながら言えばアヤは頬を膨らませながら視線をテーブルの上に向けた





アヤに続いて俺も向ければそこにあったのは
何か瓶が置いてあった






ロー）「あれは？」

「…ろぉが、喜びそうな物…」

ロー）「は？」






アヤに目を向ければ顔を赤く染めて瓶を見つめていた




もう一度瓶に目を向ければ
中身が見えないようにラッピングされている瓶





そこまで大きくないが…女が好きそうな形の瓶