第18章 ◇ バレンタイン ◇ ロー視点 ◇

ロー）「お前…あの瓶の中身はなんだ？変な物じゃねぇだろうな」

「…変な物ではないよ、うん…」

ロー）「？」





小さく呟いて俺の上からどいて瓶の乗ってるテーブルに向かった




アヤがいなくなったので俺も体を起こした




アヤは瓶も持ったままこちらに背を向けて動かない





そんなアヤに疑問を感じて後ろから近付き上から覗き込めば瓶を握り締めながら小さく震えているのに気付いた






ロー）「おい、大丈夫か？」

「ぅわ！…あ、びっくりしたー…もう！驚かさないでよ！」

ロー）「瓶を握り締めたまま動かないお前が悪い」

「…うっ、…なんか、緊張しちゃって…」

ロー）「緊張？」

「うん…あ、ちょっと！」






アヤが握り締めていた瓶を奪い取ればアヤは慌てて手を伸ばして来たが届かない位置まで持ち上げて眺めた






「ろ、ろぉ！待って！返して！」

ロー）「返す？これは俺のなんだろ？」

「そ、そうだけど…まだ心の準備が…」

ロー）「渡すだけなのになんの準備が…」





瓶から匂ってくるのは甘いチョコの匂い




俺は甘いものは好きじゃない




しかも溶かしてあるのか、ほんの少し温かい