第18章 ◇ バレンタイン ◇ ロー視点 ◇

屋根から降り街を歩き出す





アヤに手を差し出せば嬉しそうに笑って握ってきた







「ふふっ、デート嬉しい…ローと2人…ふふっ」

ロー）「…ふっ」






ずっと嬉しそうにしている



そんなアヤを見ていて自然と笑みがこぼれる










そういえば





ロー）「今日イッカクと何してたんだ？」

「え？」

ロー）「俺より先にイッカクとデートしたんだろ？何してたんだ？」





イッカクには何か買ったと聞いたが






「…ぁ、…っ、」

ロー）「？」





急に言葉をつまらして黙るアヤを不思議に思い足を止め目を向ければ顔を赤くして俯いているアヤ





ロー）「は？」

「…っ、…ぁ、ぅぐ…」

ロー）「は？」





アヤの反応に疑問しかなくて



そんな変な質問したか？





ロー）「どうしたんだ？」

「っ！」






急に繋いでいる手に力が入り
勢いよく顔を上げたアヤ





「ろ、ロー！」

ロー）「なんだ？」

「私、初めてで、その、あの…」

ロー）「待て。落ち着け…どうしたんだ？」

「バレンタイン！当日、待ってて！つい、持ってきてしまったけど、考えたら今日バレンタインじゃないって気付いて…その、」

ロー）「…」






少し涙を溜めているせいか、目がキラキラと輝いていて



さっきより顔を赤くしながら必死な顔で言ってくる