第15章 ◆ 始まりの話 ◆ 夢主視点 ◆

名前は当たり前に…皆にある物だと言われた




私が目を覚まして名前を聞かれたけど
答えなかったから



名前を覚えてないのかと思って…って言ってた
無いと困るって…言ってた



だから私にも、女の子が名前をくれたらしい


聞けば
その女の子が
《好きな本の中の好きなキャラクターの名前》とかなんとか


そのキャラクターは
強くて、かっこよくて、イキイキしてて…
笑顔が印象の女の子らしい


その女の子の憧れのキャラクターなんだとか






男の子はカカシ
女の子はリンって名前だと教えてくれた



《カカシ》


《リン》



私は忘れない様に紙に書いて…覚えた




忘れたくなくて












そんなある日
2人が包帯を巻いて私の所に来て、驚いたのを覚えてる



怪我をしたらしい



怪我…






その時
私は…自分の無力が悔しくて
前に見た男の人の顔を思い出した



私はこの人達やあんな顔を浮かべる人達が印象に残っていた












あの顔は…駄目だと思った













だからまず病院で出来ることをしようと思って
窓から外を眺めた



何か…力になりたくて…





色んな人達を見て《目》を鍛えた



人の顔色や動き…色々見た



嬉しそうな顔
楽しそうな顔
泣きそうな顔
辛そうな顔
色んな感情があるのを知った




その中でも《怒り》って言う感情は…
《１番簡単で、1番扱いやすくて、1番…扱いにくい》って思った













次に耳を鍛えた




カカシが言ってた


人の仕草や癖ってのは簡単には隠せないし治らないって
顔に出なくてもね、怒りで足音が変わるって言ってたから




そう言うのを聞き分けれる様になろうと思った






まぁ顔に出にくいって言っても
表情筋が動きにくいだけで
よく見たらちゃんと変わってるんだけどね