第2章 初任務
星月side
『う、…そ……』
「嘘なんてつかないわよ。…あ、でもね。もし金髪の女の人がここに訪ねてきたら言ってほしいって言われてた伝言があるんだけど、貴女のことかしら?」
でん…ごん…?
「えっとねぇ…月が綺麗ですねって伝えてほしいって言われたんだけど…なんか聞いたことある言葉だけど思い出せないのよね〜」
その女の人はそう言うと、家の中へと入っていった。
っ……そんなの…狡いなぁ…。
稔さん……私のこと嫌いにならないでくれてたんだ…。嬉しいなぁ…。
私は夜空を見上げる。
夜空に月は見当たらなかった。
『……今日は…新月じゃないの…、ふふっ』
月が見えないのに綺麗だなんて…可笑しい……ふふっ。
でも折角、稔さんが言ってくれたのなら、私もお返事しないとね。
『………星が綺麗ですね…』
貴方になら、この言葉の意味をわかる筈。
"貴方に憧れています"
"貴方は私の気持ちを知らない"