第2章 初任務
櫻乃side
私は灰となって消えた星月を見届けた。
でもその傍らで、奥さんは泣いていた。
「花子ぉ!!!嫌ァァァ!!!!」
誰だって、自分の子供が化け物に食われた姿など見たくもないだろう。
……これは、完全に私のせいだ。
気の迷いが鬼殺には命取りだと、わかっている筈なのに。
このままでは、犠牲者を減らすことなど出来ない。
「あのぉ……隠の者なのですが…」
泣き叫ぶ女性を虚ろな目で見ていた私に、隠の人がそう声を掛けてきた。
隠の人にとっては戸惑いしかないだろう。
『隠の方ですね、失礼致しました。階級癸の櫻乃 結霞です。鬼殺を終えましたので、後処理をお願いできますか?』
「はい。……あの方は…?」
そう指を指したのは泣いている奥さんの方。
『…火葬のお手伝いをお願いできますか?』
「……………はい」
その隠の人は何も聞いてこなかった。
後でその隠の人が、刀鍛冶の里でお世話になった今枝さんだと知った。
普段なら気づいていただろうけど、今はそれどころではなかった。