第2章 初任務
星月side
私は反射するように頷いた。
『邪魔な…奴らは、…全員…殺したい、…!!!!』
心の底の、この家に対する憎しみや憤りを絞り出すように言った。
目の瞳孔が開いているのが、鏡を見なくともわかる。
「鬼になれば邪魔な奴らは虫を殺すより簡単に殺せる」
『鬼……私を鬼にしてください……!!』
「鬼になり、人を喰らえ」
そう言い、血を分け与えられた。
すると、酒に酔うように気分が高揚する。
「…ほう、血を分け与えても苦しまないとは。期待しているぞ」
"期待しているぞ"
その言葉は今まで生きていた中で初めて言われた言葉だ。嬉しかった。
私は思った。
神様は本当に存在したのだと。