第2章 初任務
櫻乃side
私は一歩後ろに下がると、構える。このままでは周りに被害が及ぶ危険性がある。
ずっと興奮状態のままだと攻撃は単純になるけど、予想外な行動をとる可能性がある。
ここで……仕留めなくては。助けられた命を取り零すような真似はしてはならない。
私は息を吐き、構える。
「……お母さん、こっちの方から音がしたよ?」
「どうしたんだろうねぇ…?」
…!!!まずい!一般人が来てしまう。
すると星月は、ニヤリと嗤った。
そのまま声のする方へと向かう。
『逃げてください!!早く逃げて!!!』
そう叫ぶが、その人たちはどうしたのかと壁の角から顔を出した。
「きゃあ!!!」
私も星月の後に続き、その角に行く。
私が目を向けた先には、親子を人質にしている星月を見つける。
しかも親の方は、私が情報集めのときに出会った奥さんだった。
『……その人たちを…離してください』
「た゛っ…助けて…!!!」
私に助けを求める親子。奥さんは私のことを思い出す。
「貴女は……話した…」
「……おや、子供もいるじゃないのぉ…」
「いやっ!!!やめて!!助けてよお姉さん!!!!」
「動くな鬼狩り!!!じゃないとこの二人殺すわよ」
………っ…どうしよう。何もできない自分が歯痒い。
「美味しそうな女だねぇ…アンタは食べてあげるよ」
すると星月は、少女の目を抉った。
「い゛っ、い゛や゛ぁ゛!!!!!」
「花子!!!離してよ!!!やめてぇ!!!」
…っ…!!!早く助けなければ!!!
「鬼狩り来るな!!!殺すわよ!!!!」