第2章 初任務
櫻乃side
私は構えを少し変える。
『櫻の呼吸 弐ノ型 櫻隠れ___』
弐ノ型 櫻隠れは、体制を低くし足元を斬る。瞬く暇もなく訪れる斬撃。
辺りには櫻の花弁が視界を独占する。
私は逃げられないように星月の両足を斬ると、壁際に背を追いやる。首には刀をそっと近づける。
「ははっ!!まだ殺す気じゃないんだ」
『ええ、訊きたいことがあるんです。可愛い可愛いお嬢さん。貴女は何人殺しましたか?』
私は星月をまっすぐと見据えながら問う。
「…フンッ、百は超えるだろうね…で?なんでよ」
元 十二鬼月なだけある。
数多の罪なき人を食らって来たのだろう。
『お嬢さん、貴女の殺した人は数知れず。その人達が報われるためには、私は貴女の頸に刃を振らなければならないのです』
「……何よ、説教垂れるっての?」
『いいえ、私は貴女に反省というものをしてもらいたいだけです。説教ではないので勘違いはしないでください。貴女には反省して更生する義務があります』
「……どいつもこいつも煩いわね…偽善者がさァ……何?アンタら鬼殺隊は、アタシの生き様を否定するってわけ?」