第2章 初任務
櫻乃side
私は星月に攻撃を仕掛ける。まずは壱ノ型で様子見か…。
『櫻の呼吸 壱ノ型 櫻の五月雨___』
鬼の近くに行き、身体を反転させると首に狙いを定める。
斬れた感覚はあるけど、首は落とせていない。やはり元 十二鬼月なだけある。反射速度が桁違い。
「櫻の呼吸か!!その呼吸は二人目だ!滾るじゃないの…!!」
『…二人目…?』
櫻の呼吸を使うのは櫻乃一族の人間のみ。父は母の家に婿入りしたため、私の名字は櫻乃なのだ。
首を半分ほど斬られたのにも関わらず、私の呼吸に興味を示してきた。
「その独特な足捌き…あの女を思い出すね。片目を抉ってやったけど夜が明けて殺せなかった。まだこの街に来る前の話だがな!!」
今にも、もげそうな首を抑えながら言う星月。
……片目…。私の母親の話だ。私の母親は片目を戦って失ったから…。
動揺を悟られないように喋る。
『血鬼術は使わなくてもよろしくて?』
「身の危険を感じたら使うわよ、櫻の呼吸…いいねぇ…」