第1章 分岐点 ※
櫻乃side
翌日、届いた隊服に腕を通す。上は黒い学生服のようなデザインで銀色の釦がついている。
下は丈の短いスカートだ。…若干短すぎる気がするけれど…いっか。早速お館様にお披露目する。
左目が少し紫の痣に侵食されているが私の姿は見えている。
「うん、結霞は綺麗だからね。とても似合っているよ。」
なんて、照れることを言ってくれるものだ。
私の容姿は黒髪に毛先は淡いピンクの腰まである長髪。前髪は七三分けをし、横に流している。
瞳は毛先のような淡いピンクと薄い紫が混ざったような感じだ。それにバサバサの長いまつ毛。自分でも驚く美人である。
「そうだ、結霞。こっちにおいで」
お館様に手招きされ近づく。あまね様が長方形の薄い箱をもってくる。お館様がその箱を開くと目に飛び込んだのは…
『…羽織…?』
「そうだよ、鬼殺隊員は大体皆羽織っているよ。私も結霞になにかしてやれることはないか考えて、
結霞に似合う羽織を想像しながら、勝手ながら選ばせてもらったんだ」
『滅相もありません…!!そんな……ありがとうございます』
「私が勝手にしたことだからお礼なんていらないよ。結霞、羽織ってみたらどうだい?」
『は、はい』