第1章 分岐点 ※
櫻乃side
「…そうだ結霞。君は最終選別を受けなくてもいいよ」
…………へ??
『え…今…なんて…?』
「結霞は最終選別を受けずに鬼殺隊に入ってもらいたい」
『そんな…簡単になれるものではないですよね?』
まぐれで入ったところで鬼殺隊の士気を下げかねない。
「大丈夫だ、結霞は十二鬼月…しかも下弦の参を倒している。実力は確かだ。」
『でも…いいんでしょうか…?』
「大丈夫だよ。なにも己の力を疑う必要はない。君は神に恵まれた身体能力の持ち主なのだから」
『……わかりました』
そこまで言われてしまったらしょうがない。
「隊服は寝ている間に寸法を測らせてもらった…明日の朝には届くよ。隠の子たちが優秀だからね。それと、階級は一番下の癸だよ」
『……はい、頑張ります』
寝ている間に寸法を測ってたって…私が鬼殺隊に入るかどうかもわからないはずなのになぁ…。
これが策士…。
私はこれから鬼を滅す身として、気合を入れ直した。