第1章 分岐点 ※
櫻乃side
ついた先は縁側。そこにはあのお館様が鎮座している。お館様に静かに手招きをされ、遠慮気味に横へと座った。
「さて、私の名前は産屋敷耀哉。よろしくね」
『はい。私の名前は櫻乃結霞です。よろしくお願いします』
「ふふ、君も色々と戸惑っているのに自己紹介を優先させてくれるなんて嬉しいよ。楽にしてくれて構わないよ」
そう言われ、肩の力を抜く。
「結霞…といったね。鬼殺隊の存在は知っているかい?」
『はい…多少は存じ上げております』
「それはよかった。話が早いね。…結霞には、鬼殺隊にはいってほしいんだ。」
『…何故、…』
「君が十二鬼月、下弦の参を撃破したことは知っている。それに……木刀で倒したことも。
だからかな。…出来ればそのときの状況を話してもらえるとありがたいんだけれど…」
出来れば…私の両親が死んでいるのは知っているのだろう。無理に聞き出してこないけれど…話したほうがいい。
『実は______