第1章 分岐点 ※
麗羅side
私は翌日になると、心さんのもとへと急いだ。走って走って走って走って。でも全然息切れしない。
私は人外なんだと気付かされる。今日は曇りで、太陽が出ていないこともあり皮膚は焼けにくいが、
ジリジリと皮膚が痛む。……早くいかないと。心さんが心配しているかもしれない。
桐賀柄寺へつくと、黒い袴を着た心さんがいた。その隣には白無垢を着た綺麗な女の人。
心さんは何故だか浮かない顔をしていた。…………そうか、祝言を挙げるのか…。
……私の中で何かが壊れたような気がした。
気づけば私はその場に乱入し、目に入った肉の塊をすべて引き裂いた。
「麗羅…?!」
その名前を呼ぶのは、此の世でたった一人しかいない。此の世で建った一人の愛おしい人。そして大嫌いな人。
私は彼に裏切られた気持ちでいっぱいになり、手加減なしに腕と腹を裂いた。彼はその場に倒れる。
「ゔっ……麗羅…」
『なんでっ心さん……』
「君が…生きていて…よかった…」
『なんで他の人と祝言なんて…私のことなんて…どうでも良いのでしょう…?』
なんでそんなことするの…。どうして私の心をかき乱すの…。
「祝言は一昨日の夜に言われたんだ…。麗羅が帰ったあとの話…親が勝手に決めて…それで…麗羅と遠くに逃げる…つもりだった、の、に…」
『そんなっ……昨日っ…』
私の思い違いってこと…?私っ…心さんをっ…。ああ…なんて取り返しのつかないことをしてしまったのだろう…。
「愛してる…麗羅のことを愛しているんだ…」
『私もっ…心さんのことをお慕いしております…!!申し訳ありません…心さん……ごめんなさい…痛い、…でしょう…?』
「麗羅がくれる痛みなら、喜んで貰うさ」
お互いに涙を流しながら愛を伝えあう。
彼女たちの愛は、他の人たちとは少し違った。
狂気の愛だ。