第1章 分岐点 ※
麗羅side
「ほぅ…朝方やられたはずなのにまだ生きるか」
私の耳に、冷酷な声が響く。
「辛いだろう、アイツに復讐したいか?」
アイツ…それは父親のことだろうか。出来るものならしてやりたい。私の味わった痛みを味あわせたい。
でもそんなことを口にできる余裕はなかった。でもその人は私の意図を汲み取ったように話を進める。
「オマエも鬼になれ。あまたの人間を食らい、強くなれ。そして私の役に立て」
私が起きたときには、その男はいなかった。でも不思議なことに、怪我もなければ痛くもない。
……これが、鬼というやつだろうか。そんなことどうだっていい。あの男を殺す。あの男を絶対に…。
私は走り続け、父親を見つけた。父親の腐ったような匂いを辿ればわかる話。
「っ…なんで生きてる…!!?」
私は頭を押さえつけ、何回も殴った。鼻が折れても、白目を剥いてもとまらない。
気づいたときには顔は陥没し、死んでいた。
血の匂いがした。でも食べる気にならなかった。
こんな醜い男なんぞ、死んでも食いたくない。
醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い
オマエの勝手な行動で母親に私を孕ませ、挙げ句の果てに、実の娘まで強姦した。そしてそのことが口外されぬよう口封じに嬲り殺した。
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
気づけば心は真っ黒に染まる。
脳が私を刺激する。