第1章 分岐点 ※
麗羅side
妾の家は、貧しい平民の家だった。というより、村自体が貧しかった。
元々は、罪人たちの償いの為にと作られた村なのだ。
そこで出会った罪人同士が行為をし、孕んで子が産まれた。
妾も罪人同士の家の娘として産まれ、町へと赴けばその醜さが露わになり虐げられた。
町の人々の心の醜さ、それを目一杯に受けた。外見を着飾るより、内面を美しくしたほうがいいに決まってる。
内心いつもそう密かに毒づいた。
私のいる村には海などもなく、飲み水や塩は摂れない。摂るためには海のあるところまで遠出をするしかなかった。
一日何も口にしない日も、当たり前のようにあった。
服もボロボロで泥まみれ。水は貴重だから服を洗うためだけに使えないのだ。
毎日毎日、飢えや病気で死んでゆく村の人々。遺体を処理する気力もなく、そのまま放置。
数日後には蝿が集った。
まさに悪循環。罪人の子供はまた罪人。何をしようとも罪がついて回るのだ。