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櫻の花が咲く頃に。 【鬼滅の刃】

第1章 分岐点 ※








櫻乃side




結霞は目にも留まらぬ早さで麗羅に近づき、気づけば櫻の呼吸を繰り出していた。これは母親から教わった呼吸。



壱ノ型 櫻の五月雨は体を反転し、鬼の頭上から斜めに刃を繰り出す技だ。



麗羅は咄嗟に頸を守ろうと攻撃をしてくるけれど、私は避ける。




そのまま私は、麗羅の首を木刀で斬る…いや、正確に言えば引き千切る。



ガタガタの断面の生首が寺からの外へと飛ぶ。日が差し込み、顔を焼く。皮膚が焦げる匂いを感じた。




日が差していたのは、不幸中の幸いだ。






「ああ゛あ゛あ゛っ゛!!!!い゛やぁ゛!!!!」










身体も外へと放り出し、日で炙る。断末魔に心が傷んだけれど、どうしようもない。





「ぎゃ゛あ゛あ゛ぁ゛!!い゛だ…い゛…」





『…来世は…鬼を知らずに…生きて…幸せになって……』








さっきの余裕は嘘のように断末魔をあげる麗羅。



でも途中から、聞こえなくなる。


















「……妾の゛…報い…か……妾はただ…幸せに……なりたかった…だけなの、だ……なのに…」




すべてを受け入れるように、笑う麗羅。



私はその傍らで力尽きたように倒れる。




私が神経を狂わされていたのに動けたのは、右腕を動かしたいときは左腕を


左腕を動かしたいときは右腕を動かすように脳に命じて、自分の脳を騙したからだ。





とても人が行える諸行ではないが、そうするしか状況を打破する方法はなかった。




そのとき、麗羅は涙を流しながら密かに遠い昔のことを思い出していた。







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