第2章 瀕死になった主人公と五条(ネームレス)
「あ、先生。お疲れ様です」
「怪我はない?」
先生の掌が私の頭を優しく撫でる。
先生は何故か、私が任務から戻って来ると怪我が無いと報告を受けていても、必ず有無を聞いてきて、こうして頭を撫でて来る。
他の生徒との接し方が、少しだけ違うことに正直、戸惑っているのも事実で。
「無いですけど、先生いつまで頭を撫でるんですか?」
「んー、僕が満足するまで?」
「……何で、疑問形なんですか」
この五条悟と言う人は、お顔立ちがとてもよろしい。少なくとも女の私でさえ、羨むほどには。
「だってアンタの身長、頭撫でるのに丁度良いんだもん」
「もしかしなくても私、小動物的な扱いされてません?」
とてつもなく不満になってそう言うと、先生と野薔薇は噴き出して笑った。
「先生はともかく野薔薇まで笑うなんて、酷いよ!」
「ごめん、ごめん。だって、アンタが可愛いからさ」
「ねえ、僕がともかくってどう言う意味?」
「野薔薇だって可愛いよ?」
「ねえ、無視しないで?」
そんなやり取りを交わしながら私たちは、寮へと足を向けた。