第2章 君たちが笑えば、私は幸せだと。そう思っていた。
【〇月✕日】 たぶん、この日記が最後だと思う。
お母さんの葬儀を目前にして、左馬刻が私をまるで仇を見るような目で見てくるようになった。 それも、そうか。仕方ない事だ。
合歓は変わらず接してくれようとしてたけど、左馬刻に阻まれて話もできない。 あぁ、三人でまた笑い合いたかったなぁ。
どこで、間違えちゃったかなぁ。 まぁ、でもあの二人が幸せで居てくれるなら、それでいいや。
【最後に】 左馬刻と、合歓へ。
少ない希望をかけて、このジュラルミンケースを残します。 これを見つけている時は、恐らく私は二人の隣には居ないよね。
やっぱり、お姉ちゃんとしてはまた三人で笑い合いたかったよ。
一緒に買い物したり、ご飯食べて、何気ない話をして。 まぁそれを壊したのは、自分なんだけど。
左馬刻、ごめんね。こんなことでしか守れないお姉ちゃんで。 合歓も、寂しい思いさせてごめんね。 二人の晴れ姿、お母さんの代わりに見たかったなぁ。 でも、二人が幸せでいてくれるなら、なんでもいいや。 二人とも、元気で居てね。ばいばい。