第2章 君たちが笑えば、私は幸せだと。そう思っていた。
家に着くと、合歓はすっかりと暗くなった部屋の中心で、その赤い瞳をさらに赤くし、嗚咽を漏らしていた。
「……何があった」
「これ、読んだら分かるよ……」
合歓に渡されたのは、色あせてしまってはいるが、かつて俺たちがまだ仲が良かった頃に一緒にお揃いで買ったヒーローものの小さいノート。
確か合歓が女向けのキャラクターのやつで、俺のはヤツが『お揃いにしようよ』って言ったもんだから、ヒーローのやつで。
なけなしの小遣いを叩いて、ヤツが俺たちに買ってくれたんだったか。
結局、合歓もお揃いがいいって駄々こねてあいつは女向けのやつとヒーローのやつ二冊買って貰っていた。
俺は、これを開いてしまえば、全てが壊れてしまいそうになる気がしてならなかった。
俺が、今までやってきたことが全て無駄になってしまいそうな……。
俺は合歓のそのヤツに申し訳なさそうな視線に押し負け、渋々と言った感じでノートを開いた。
俺は合歓のそのヤツに申し訳なさそうな視線に押し負け、渋々と言った感じでノートを開いた。