第6章 彼女
あんな事の後に一緒に寝せられるって生き地獄じゃねぇかよぉ…
俺、頑張れ。
彼女の隣に寝っ転がると気の所為かもしれないが少し微笑んだ気がした。思いの外時間が経っていたのか、眠気が襲ってきて早くも寝れた。
翌朝、目が覚めると隣に眠っているであろう彼女の姿が見当たらない。寝室から出るとリビングでグルグルしているのが目に入る
『いねーと思ったら起きてたのかよぉ。起こしてくれよなー』
一ノ瀬「え、あ!うん!気持ちよさそうに寝てたし起こすのは悪いかなぁって思いまして…」
『別によかったのによー。唯吹さん腹減んねーの?俺コンビニで買ってこようか?』
何か考え込むように、顎に手を当てている
名前を呼ぶと考えるのをやめ、ご飯を作ると言ってくれた
歯ブラシのある場所を教えてくれた
言葉に甘えて、洗面台に向かった
どんな顔すりゃいいのかわかんなくて
昨日何も無かったように振る舞ったけど気付いてねぇよな?
ポーカーフェイス出来てるか、俺。
しかしよぉ、唯吹さん普通じゃねぇか?忘れてんのか、あれ。
鏡に映る自分に問いかけるが、返事は当たり前の様に返ってこない。
『俺は唯吹さんの事、好きなのかぁ?』
小声で独り言を呟いて彼女の居るリビングに戻る。
俺に気付き、「椅子に座って待ってて」と言われ椅子に腰を下ろして待っている。時間があまり経たないうちに、俺の目の前には出来上がった物が置かれる
『いただきまーす』
一ノ瀬「はい、どうぞ」
腹が空いてた事もあり、バクバクと口に突っ込んでいく
簡単な物だが今まで食べてきた中で1番美味い朝ご飯かもしれない。
食べていると正面の方から視線を感じて、顔を上げると彼女は野菜ジュースを片手に俺の顔を見ていた
『俺の顔見てどうかしたかぁ?』
一ノ瀬「美味しそうに食べるな〜って」
『そうか?まぁ、美味いからそう見えてもしょうがねぇけどな』
正直な感想を言うと、また彼女は何か考え事をしている
『なーに、俺といんのに何考え込んでんだよ』
一ノ瀬「んーと…あの、昨日の事何ですけど…」
『昨日がどうかしたか?』
一ノ瀬「私何か快斗くんに迷惑かけなかった?記憶が全くなくてですね…」