第6章 彼女
唯吹さんと会わずに数週間が過ぎた夜の事。
次に狙う獲物を探していると携帯の着信音が鳴る
『おいおい。誰だ?こんな遅い時間によぉ…』
名前を見るとそこには一ノ瀬 唯吹と表示されていた。
嘘だろ、オイ!
まさか電話相手が彼女だとは思わなかった。
電話をでてみると…
一ノ瀬「快斗くんやっほー!!!今何してるの?」
『異常にテンション高くねーか?今は特に何もしてねーかなぁ』
さすがに怪盗キッドの正体が俺とは言えねぇしな。
一ノ瀬「今暇なら一緒に飲み行こー!!」
『俺未成年だし!!』
一ノ瀬「平気平気!バレなきゃ…」
言い終わる前に何があったのか叫んでいる彼女の声が耳に響く。
?「いや〜、うちの唯吹がごめんねぇ。僕マネージャー何だけどこの子酔っ払っちゃって。もしよかったらこの酔っ払い引き取ってくれない?快斗くんに会いたいみたいだからさ」
何でマネージャーが俺の名前知ってんだ?
唯吹さんが俺の事何か話してるとかか…?
唯吹さんの声が案外近くから聞こえてきた。
一ノ瀬「えー!何で私が快斗くんに会いたがってるってわかったの!!」
いつもの声より異常にテンションが高い彼女の声が聞こえてきた。
そんな事、聞いたら行くしかねぇだろ…
『俺、引き取りますよ』
マネ「え、いいの?助かるよ!じゃ今いる場所唯吹の携帯から快斗くんに送っておくねぇ、それじゃ後で!」
電話が切れてから数秒後に場所が送られてきた。
案外家から近場で20分くらいで行けそうだ。
久しぶりに唯吹さんに会えるな…
急いで唯吹さんの居る場所に駆け足で向かう。