第6章 彼女
青子「快斗!丁度いい所にいた!」
『何だよ、青子』
青子「唯吹ちゃんから写真集貰う約束してたんだけど・
今日用事あるの忘れてて…
青子の代わりに受け取って来て貰えない?」
『用事あんの忘れんなよなぁ…わーったよ。
俺が代わりに受け取ってやる』
青子「助かる!じゃ、よろしくねっ」
言い終わると大急ぎで走り去っていく。
たっくよ・・騒がしいやつだぜ。
唯吹さん、もう待ってるかもしれねぇし俺も早く行くか
また会えるなんて思ってもいなかった。もう会う機会なんて本当にないと思っていたのだから。会えるのが思ってる以上に嬉しいのか校門まで向かう足が早まる。
校門まで辿り着くと、下を向きながら携帯をいじっている彼女の姿。近付いても気付かない。マジックで驚かせる事にした。
一ノ瀬「うわっ!」
『待っててくれた唯吹さんにプレゼント』
一ノ瀬「また黒羽くんから綺麗な花貰っちゃったね、ありがとう。大切にするね」
『いえいえ、その喜んだ顔が見れたなら何よりですよ』
怪盗キッドの姿でもないのに思わずキザなセリフを言ってしまった。
一ノ瀬「この間会った時は可愛かったのに今日は紳士的だね、かっこいい」
『そうですよ〜、俺は紳士でかっこいい男なんですよ』
クスクスと彼女が笑う。笑われているのに可愛いと思ってしまう。彼女の笑顔は魅力的で心が惹かれる
青子に渡すはずだった写真集を受け取りスクールバッグの中に入れる。短い時間だったがこれでお別れだ。名残惜しい。まだ居たい。
やっぱり連絡先聞くしかねぇよな。
そう考えていると…
一ノ瀬「もしよかったら連絡先交換しない?」
この間思っていた事を言われて驚く
まさかあっちから言ってくるとは思ってもいなかった
『いいですよ、俺も言おうと思ってましたからね』
彼女が先に見せるより素早くQRを見せる。
追加し終わってしまったら帰ってしまう。まだ一緒に居たい
体が無意識に動き、唯吹さんの腕を掴む
一ノ瀬「黒羽くん?」
『うわぁっ!何やってんだ俺…』
ホントに俺何やってんだ?まだ一緒に居たいとか恋してるみてぇじゃねーかよ!会って数回だぞ!
一ノ瀬「写真集のお詫びもしてないしご飯でも奢らせてよ」
その言葉に心が躍る