第6章 彼女
一ノ瀬「つい可愛いって思っちゃって…無断で載せてごめんね。
私も載るなんて思ってなくて。写真集受け取りたくなかったら受け取らなくてもいいからね。青子ちゃんもごめんね、こんな写真見せちゃって。実際青子ちゃんよ見てるけど写真で見るのも違う恥ずかしさがあるよね。」
男に可愛いって何だよ。
俺より唯吹さんの方が可愛いだろ…
俺の手に持っていた写真集が彼女の手によって奪われる
『何で奪うんだよ。俺貰います』
一ノ瀬「え、あ、どうぞっ」
奪われた写真集がまた俺の手元に戻ってきた
戻ってきた写真集をスクールバッグの中に入れる
一ノ瀬「受け取ってくれてよかった
ありがとう、黒羽くん」
『少しの間俺が彼氏役してたんだから俺が貰うなんて当然でしょ?』
彼女は気付いていないのか、ほんのりと頬が赤く染まっていく
青子「青子も唯吹ちゃんの欲しかったなぁ〜」
一ノ瀬「あげるあげる!持ってくるよ」
青子「いいんですか!?」
一ノ瀬「撮影に協力してくれたしあげるよ
いつ渡そうかなぁ。」
青子「青子はいつでも大丈夫です!」
スケジュール帳と睨めっこをし、金曜日に写真集を青子に渡す約束をしていた
青子「行き違いになったら嫌なんでもしよかったら連絡先とか?」
相手が高校生で撮影に協力したおかげか
彼女は何の躊躇いもなく青子と連絡先を交換している
一ノ瀬「写真集渡せたし私はこれで。また金曜日ね」
手を振り彼女は去って行った。
俺も連絡先いいですか?とか聞けばよかったな。失敗したな
会う機会何てもう本当にねぇだろうしな。
何で俺こんな事考えてんだ?数回しか会ってねぇ人だぞ!
彼氏役やったせいか?俺どうかしちまったか?
青子「なーに、百面相してんのよ」
『してねーよ!百面相なんてよ』
青子「してたわよ!」
してた、してないの言い合いを青子としながら家へ帰って行く。