第6章 彼女
咳払いをして想像するのをやめた。
『顔が写らないなら俺やってもいいですよ?お姉さん』
口角を上げて言うと少し嫌そうな顔で見つめてくるが
そんな顔をしていても可愛らしかった。
「ほら、彼もこう言ってるしいいんじゃない?」
観念したのかため息をこぼして席を立ち上がり、俺の膝に跨り座ってきた
俺の想像以上の事今されてねぇか?
「唯吹ちゃんは恋人の膝に座る時は向き合って座るんだぁ。いやー、いい事知れたな〜」
一ノ瀬「え、?違いました?」
「僕達と思ってたのと違ったな〜と思ってねぇ
でも、いいんじゃない?恋人っぽいし!!」
何が違ったのかわからないまま彼女は横に向いてた顔を正面に向けると想像以上に彼女の顔が俺と顔に近かった。
「快斗ずりぃー!!俺も唯吹ちゃんに座ってもらいてぇ!!」
「何だよ、あの唯吹ちゃんの座り方!えろ過ぎだろ!」男子が騒ぎ立てる。
お前らの言う通りこの座り方はえろ過ぎるわ…
一ノ瀬「ごめんね、黒羽くん。迷惑かけちゃって」
ここはポーカーフェイスで…
『お姉さんの彼氏になったらこうなるって教えて貰えたしラッキーって感じ!』
聞こえてないのか俺の顔をじーっと見つめている
お姉さん?と声をかけると聞こえたのか彼女は我に返った
カメラマンからはカップルらしい事と指示を出されたすぐに両手が俺の顔を包み込み顔が徐々に近付いてき、少しでも動いたら唇が触れ合うくらいお互いの顔が近い。先程のポーカーフェイスが崩れて俺の頬は尋常ではないくらい熱が持ちはじめる。顔を背けようとするが彼女の手によって阻止される
一ノ瀬「だめ、顔写っちゃうよ?
後そんな顔赤くされたら私も照れて赤くなっちゃうよ」
『そんな余裕そうな顔されて赤くなっちゃうよとか嘘言ってるようにしか聞こえねーよ!』
一ノ瀬「嘘じゃないんだけどなぁ
カメラマンさんもカップルらしい事してって言ってるから黒羽くんも私にして?腰に手を回してみて」
顔が近くて小声で言ってくる声が色っぽく聞こえて緊張して腰に回す手が少し震えてしまう。
腰周り細っ。細い割に柔らかいとかどうなってんだよ…
少し視線を上にあげると頬を赤らめている彼女の顔が目に入る
先程までの余裕そうな顔が消え、顔を赤く染めあげている。
それに驚き凝視していると