第5章 飲まれて過ちを
ま、眩しい…
昨日のアルコールのせいで頭が少しガンガンして気持ち悪い。
太陽の眩しさで目がまともに開けられず少し開き、上半身を起き上がらせる。
『うわぁ…昨日いつ帰ってきたっけ。
全然覚えてない…』
昨日の酔っ払ってからの記憶が一切ない
どうやって帰ってきたのかも覚えていない。私の悪い癖だ。
シャワーでも浴びてこよ…
ベットから出ようとした時私の手に何かが触れる。触れた物を見ると私の好きな人がスヤスヤと眠っている寝顔が見えた。
ん?え?まだ寝てる?夢?
自分のほっぺを摘むと痛みがはしる。これは夢ではなく現実だ。
『なんだー。現実か…って!!!何で!?』
何で快斗くんが私のベットで寝てるの?え?
まさか…そう思いながら自分の姿を確認すると昨日着ていた服をきちんと着ている。よかった…ってそうじゃなくて!!携帯!!
電話履歴を見ると黒羽快斗と名前が昨日の夜中に私から電話をかけた履歴がきちんと表示されている。
うわ、やらかした。
頭を抱えていると隣で寝返りをうっていた
。
冷静に、冷静に。気持ちよさそうに寝てるし起こさないようにシャワー浴びて…歯も磨いて…あー!もうどうしよ…
考えてもどうすればいいのか見つからず、悩んだ末シャワーを浴びる事にした。浴び終わり髪を乾かしながら歯を磨いて昨日の事を思い出そうとするが、思い出せない。思い出そうとしてもお酒のせいで頭がズキズキと痛む。
もう思い出そうとしてもだめだ。埒が明かない。
本人に聞こうかな…でもなぁ。
リビングで行ったり来たりとグルグルしていると寝室の扉が開く。
黒羽「いねーと思ったら起きてたのかよぉ。起こしてくれよなー」
欠伸をしながら私に近寄ってきた
『え、あ!うん!気持ちよさそうに寝てたし起こすのは悪いかなぁって思いまして…』
黒羽「別によかったのによー。
唯吹さん腹減んねーの?俺コンビニで何か買ってこようか?」
あれ?何この平和な会話は。もしかして何もなかった…?
顎に手を当て考え込む
黒羽「唯吹さーん?」
『え!あっ何でもないよ
快斗くんは顔とか洗ってきて?ご飯作るからさ!
歯ブラシは洗面台の近くの棚に入ってあるから』
黒羽「え、まじ?いいのか?」
『うん、いいよ!』
黒羽「ならお願いするな!」
快斗くんは洗面所に向かい、朝食の準備を始める。
